MQAをMQAとして再生するには「ビットパーフェクト」である必要があります

ビットパーフェクトとは

MQAファイル,またはMQA-CDとしてパッケージ化されたデジタルデータが,改変されること無く,全く同一の状態で伝送,デコード処理されることを意味します。

デジタル領域でボリュームコントロールするとビットパーフェクトではなくなります

再生ソフトウェアやデジタルトランスポートからボリュームコントロールするとデジタルデータが改変されます。リプレイゲイン,ノーマライズと行った処理も同様です。必ずフルボリュームで出力するようにしてください。

MQAでは,音声波形の中で可聴域外の領域などをうまく使うことにより,MQA処理に必要なデータを埋め込みます。ボリュームを変えると音声波形が変質してしまうので,MQAとして埋め込まれた情報を取り出せなくなってしまいます。

ボリュームコントロールは,各DAC側のハードウェアボリュームを使用するか,DACから先の機器であるプリメインアンプ側などで調整することを徹底してください。

アップサンプリング・リサンプリングやビット拡張はしない

これらを行うとデジタルデータが改変されます。トランスポート機器によってはそれらの機能があったり,強制的に行うものもあるので,組み合わせる側の機器仕様を十分ご確認ください。MQA-CDの場合は,CDDAフォーマットである 44.1kHz/16bit で出力しなければなりません。

Word Clockで同期させるときは,関連するデジタルコンポーネントを必ずすべて単一のWord Clockに同期させる

PCオーディオ環境でありがちなのですが,DACはワードクロックと同期させているが,PCなどのトランスポートは同期させていない例が散見されます。このような状態で使用してしまうと,あるときは問題ないが,ある時突然ダメになったり,Aという機器と組み合わせた場合は問題がないが,Bという機器ではダメ,といったような不定の状態を呈します。MQA対応DACから見ると,ジッターという時間軸上の揺らぎによってビットパーフェクトではない状態で信号が送られてきてしまうことが起こります。Word Clockを用いる場合は,必ず関連コンポーネントすべてを単一クロックに同期させることを徹底してください。

また,Word Clockでは75Ω線を使用しますが,10M Clockでは通常50Ω線を使用します。端子の物理的形状はどちらもBNCであることが多いのですが,食い違った状態で使用されている環境の場合,ジッターというものが増加する可能性があるので留意ください。

BrooklynもManhattanも,MQA再生において内蔵クロックよりもWord Clockを使用することに音質上の利点は原理的にはありません。とはいえ関連コンポーネントすべての結果として音質は現出するので,使用することによって音質が変化することを否定するものではありませんが,そもそもの動作安定性という観点からは,内臓クロック設定で使用することを推奨します。

使用しているデジタルケーブルや送り出し側の接続端子を交換してみてください

デジタルケーブル起因,またはトランスポート側の出力端子のジッターにより,MQAステータスランプが付いたり消えたりする状態になる場合もあります。例えば,AES/EBUでは問題が生じ,Coaxialで出すと問題ないという場合もあり,その場合は問題なく使用できる方を使用してください。

誤解されやすい点について解説いたしますと,MQA伝送において,MQAの立場から見れば,AES/EBU(バランス伝送)とCoaxial(アンバランス伝送)に音質上の違いはありません。AES/EBUのほうが一般的に良いというようなイメージを持たれる場合がございますが,MQAはその通説には該当いたしません。ビットパーフェクトで受け取ったデータをもとに,DACがアナログ信号に変換する規格だからです。伝送経路ではビットパーフェクトであることのみが求められます。

もし前述のような事態になっているとき,使用している機材の組み合わせにおいてAES/EBUでの経路がビットパーフェクト伝送にはなっていなかったという事実があるだけで,オーディオのアコースティック的な側面からは優劣が存在しません。

同様の理由で,高級なオーディオケーブルだと上手くいかず,安価なケーブルだと問題が無いという場合もありえます。そのため,先入観を捨てていただき,別のケーブルで試してみるようお願い申し上げます。高級・安価という評価軸ではなく,「用途に適しているかどうか」が重要となります。

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